ブラジルの音楽 への旅支度




正直に言いましょう。
私はブラジル音楽に精通していたわけでもなく、「超好き〜!!(身悶え)」というほど愛していたわけでもありませんでした。えぇ、あるじさんに比べたら足下にも及ばない、ただの人。しかし、この旅の目的は「音楽」なのですから、参加することに意義がある、と言うしかありません。

とはいえ、あるじさんの熱心な教育のおかげで、BOSSA NOVAの歴史(?)くらいは理解しました。ミナス音楽はなんぞや、ということもなんとなくわかりました。
しかし、ブラジルという国における音楽のあり方は、そんな付け焼き刃の私をものみ込む素晴らしい魅力に溢れていたのです。
レコ屋探訪〜リオ・デ・ジャネイロの巻

さて、着いたその日からあるじさんは嬉々としてレコ屋へ。
最初に訪れたのは「MODREN SOUND」という、リオ・デ・ジャネイロでは言わずと知れたレコードショップ(2010年12月31日、惜しまれつつ閉店)。コパカバーナの中心にあって、ホテルからも近く、品揃えも豊富。手始めにはピッタリのお店。

初めてのふたりきり行動にドキドキしつつ、通りを横切り、中へ入ると意外なほどオサレーな内装。(行く前の私の中のブラジルに「オサレ」という文字はなかった)1階は、主にCDを売っているフロア。中2階にカフェ&レストランなんかがあって、ライブも行われる模様。地下がアナログフロア。すごい量です。

さっそくあるじさんは自分の世界へと飛び立っていき、私はというと、手持ちぶさた、というか、することもなく。待つしかないよね。そりゃあ、うたたね始めるよね。……3時間経過。
こうして、あるじさんdigging→私むくれる、を繰り返すレコ屋探訪が始まったのです。

リオ・デ・ジャネイロは、街を歩いているとちょいちょい古本屋さんや古レコード屋さんに遭遇します。あるじさんにとっては、とても刺激的だった様子。確かに、日本とは絶対量が違います。そして、価格も安い。レアルが安い、ということもあるけれど、それだけではないかも。日本で価値があるとされているものが、必ずしもブラジルで価値があるとは限らない、ということなのかな。

ともあれ、音楽好きのみなさん、気になったレコ屋さんにはぜひ躊躇せずに、入って見てみましょう。

MODERN SOUNDのアナログ売り場。


こちらはセントロのレコ屋さん。ビルの中の1室。
どこもこんな感じなので、とにかく時間がかかるのですな。
ボサノヴァの生まれた街、リオ・デ・ジャネイロには伝説(?)のレコード屋さんもあったりして、名所となっていたりもします。

コパカバーナパレスの近くにある
Bossa Nova e Companhia
(ボサノヴァ&コンパニア)。
1960年代、リオのボサノヴァ関係者が
夜ごと集まっていた一角にあるショップ。
今はとても洗練されてて、オサレ〜。
CDだけでなく、グッズや書籍、
楽器もたくさんあって、私も楽しめました。

イパネマにある
Toca do Vinicius(トカ・ド・ヴィニシウス)」。
「ヴィニシウスの穴」という意味。
小さいお店ながら、古い楽譜や写真など
当時をしのぶものが残されています。
ヴィニシウス関係で言えば、
ここから歩いて数分のところに、
かの有名なカフェ「Garota de Ipanema」があります。
旅程の決定

リオ・デ・ジャネイロに比べて、よりこぢんまり、ほこりっぽい店構えだったのがベロ・オリゾンチのレコード屋さん。 あるじさんは、電話帳を使ってレコード屋さんを発掘。住所を見て地図とにらめっこ。その執念たるや、自分の良人ながら感心するほど。道がわからなくなると、ショップに乗り込んで「このへんに中古レコード屋はないか?」と筆談。で、地図にチェックしてもらう、これを行く先々で繰り広げていたので、自然ポルトガル語がペラペーラになっていたのにもビックリ。

しかしこの情熱をもっと他に活かしてはくれまいか、という嫁的心情もあったりするのでした。


ふっかけられたので「ふっかけおやじ」
ベロ・オリゾンチのレコード屋さんは、なぜかおじさんがひとりでやっている場合が多く。お店の名前が覚えられなかったので、「おじさん」の特長で呼んでました。

どう整頓されているかわからないくらいの雑然さにも関わらず、好みを伝えると、「ならこれも好きじゃない?」と秘蔵っ子を引っ張り出してきたり、価格交渉もできたりと、フリマっぽい感じ。こういうお店、日本にももっと増えたらいいのにな。しかし、片言のポル語でもなんとかなったのは奇跡。

日本人がくることも珍しいようで、待ってる間、なんだかいろいろ話しかけられた気がする。ほとんど何言ってるかわからなかったけど、「私たちは夫婦で、新婚旅行で来た」と伝えると「ええ!? 結婚の意味知ってる?」とさんざん言われたのがショックだった。いったいいくつに見えたんだろう……。

ここはCDの方が多かったので、「もっさりCDおじさん」

日本並みに価格が高かったので「ぼったくりおやじ」の店

ブラジルのライブハウス

今回私がいちばん心を打たれたのが、ライブ。都合、3回行っただろうか。
日本とはまったく違う、音楽との関わり方がとてもステキで、それを体感できただけでも、ブラジルに来た甲斐があったってもんです。連れてきてくれたあるじさんに感謝です。
さて、何がそんなにステキだったかというと……
私たちが行ったのは、リオ・デ・ジャネイロ、ラパにある「Carioca da Gema」。ラパ(Lapa)はブラジルの音楽の流行発信地でもあるらしく、ライブハウスが林立していて、昼と夜とでまったく表情の違う地区。周辺のBarには若者が群がっていて、ちょっと怖い雰囲気だけど、セキュリティチェック(要パスポート)をくぐり抜けてお店に入れば、そこには音楽好きだけがいるので安心。

ここは、サンバがメイン。だからかなのか、白髪のおばあちゃん、リタイアしたと思われる老齢ご夫婦など、夜なのに妙齢の方が多いことに驚かされる。
そして、みんなが踊っている。みんなが唄っている。

どこにそんなパワーがあるのかと思うほど、激しく踊るカップル。階段にちょこんと座ってサンバを口ずさむおばあちゃん。世代をこえて、こんなにもサンバが浸透していることに、なかば感動を覚えつつ、私たちも踊らされたわけです(笑)。







しかし、日本にこういう存在の音楽ってあるだろうか? 「君が代」?暗いねぇ。「童謡」?ちょっと違うかなぁ。う〜ん、思い浮かばない。「一体になれる」というのは、すごくパワーをもらえるし、元気になるよね。ブラジルのイメージそのまんま。そんな時間を過ごせるのが、ライブハウスなのだと感じた。

そして、ベロ・オリゾンチでも、マリアンジェラさん(後述)のお誘いでライブハウスへ。こちらはまたちょっと趣が違って、ちゃんと聴かせる感じ。おなかにドスンときました。それでも老若男女かまわず人々が集って、お酒と会話を楽しみながら音楽を楽しむのは、同じ。

ひととひとの交わりを楽しむ、そして音を楽しむ。ここでは、そのためにライブハウスが存在している。そんな当たり前のことが、とても素晴らしく感じられた体験だった。

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※このページはすべて2008年12月〜2009年1月時点の情報に基づいています。
現在では変更している可能性もあるので、これから行かれる方は必ずそれぞれの公式サイトなどを確認してください。

11/04/19 up