きのこ、この不思議なるもの

しいたけ

私は、シイタケを育てたことがある。
というと、ほぼ80%の人はリアクションに困る。
確かに、ひとり住まいの部屋がきのこ畑だ、というのはちょっと変かもしれない。
そういえば、空中に浮遊するシイタケ菌を吸うと健康にいいと聞いたことがある。
「それは本当なのか?」と疑問に思ったことから、このページは始まった。

きのこプロフィール
「木の子」というのどかなネーミングのわりに、その正体は菌である。
カビや粘菌なんかと同じ類だ。
植物でもなく、動物でもない。
日本に自生するきのこは約5000種類があり、
うちいわゆる毒きのこは約50種程度だという。
今や年間を通じて入手できるが、そもそも旬は秋。
マツタケが店頭に並ぶ頃には頭の片隅で思い出してほしい。

東のシイタケ、西のマッシュルーム
さて、ヨーロッパでは、きのこというとマッシュルーム。
栽培生産量、なんと世界第一位。
その歴史も古く、古代ギリシャ・ローマ時代から神からの贈物として食されている。
古代エジプトでは、ファラオが野生のマッシュルームを独占。
ずいぶんとお気に召したようだ。
南米でも、紀元前1500年頃にきのこの像を宗教儀式に用いられていたらしい。
いったいどんな宗教儀式なのだろうか?

日本ではどうかというと、きのこといえばシイタケ。
シイタケの歴史をさかのぼると、名付け親として意外な人物が登場する。
第12代景行天皇。
古代史最大の英雄、ヤマトタケルのお父さんである。
ヤマトタケルに東征出立を言いつけた張本人。
そんな景行天皇が、九州の熊襲を征伐に出かけた時のこと。
おなかが減ったのだろう、の木に生えていたをつまみ喰いしてしまった。
これが美味しかったものだから“椎茸”と名付けた、と伝えられている。
毒きのこでなくてラッキーだった。
古事記によれば、この人は137歳で没したそうだ。(日本書紀では106歳)
ずいぶんと長生きしたものだが、シイタケパワーなのだろうか?

また、他説では第14代仲哀天皇(ヤマトタケルの次男坊)が九州征伐の際に、
筑紫香椎宮で献上されたきのこに命名したとも言われている。
宮にて献上されただから椎茸、というわけだ。
ちなみにこの仲哀天皇、奥さんである神功皇后は卑弥呼だ、という説もある。
と聞くと、たいした色男のようだが、これもシイタケパワーなのだろうか?

おそるべし、きのこの薬効よ
では、きのこにはどんなパワーがあるのだろうか?
前出のシイタケでみてみよう。
中国では古くから霊薬として重視されてきたが、シイタケに含まれる成分には

■コレステロールを低下させる効果
■制ガン作用
■血圧低下
■抗ウイルス作用
■骨粗鬆症予防効果

などがあると言われている。おまけにノーカロリー。
ダイエット中のお嬢さんも、生活習慣病が気になるお父さんも、
ぜひ、シイタケを食していただきたい。
ちなみに、シイタケには日光に当てるとビタミンD2に変わる成分が含まれているため、
干しシイタケの方が薬効は高いそうだ。
生シイタケでも1〜2時間前くらい陽に当てれば、うま味アップが期待できる。
(もちろん我が家でも実践している)

私たちが普段何気なく食べているきのこだが、その妙ちくりんな生態とはうらはらに、実はなかなかのおりこうさんなのである。(2004.5.28)

*薬効に関してはもちろん個人差があるので、必ずしも効果があると断言できません

【参考文献】
檜垣宮都 監修『キノコを科学する』(地人書館)2001
ふるさときのこ考
ホクト

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